2026.04.03 INFORMATION

New Single『ULTRA』オフィシャルインタビュー公開!

北山宏光(Hiromitsu Kitayama)が4月22日にシングル「ULTRA(ウルトラ)」をリリースする。ソロ活動を開始後、アーティストとして俳優として輝きを放ち続ける中、次なるステージとして選んだのは、TOBEとポニーキャニオンのタッグによる共同音楽レーベル「RED ON(レッドオン)」での楽曲発表。なぜ今、融合を求めたのか。その第1弾シングルに込められた、純粋で、奇跡のような「点と線」の物語。キャリアを経てなお「ワクワクしている」と少年のように笑う北山の核心に迫った。

■新レーベル移籍と「カードの混ぜ合い」が生む火花

――今回のシングルは新レーベル「RED ON」からリリースされます。新レーベルで臨む狙いや心境を聞かせてください。

北山 TOBEに入ってからは、自分の中で音楽の軸というか、「0から1」を作る段階を経験させてもらい、アルバムの発表やライブをやらせてもらいました。その上でポニーキャニオンさんとご一緒させていただくにあたって、自分が培ってきたこととポニーキャニオンさんの歴史や得意な部分の融合ができたらと考えました。

――融合という言葉が出ましたが、どのようなイメージで捉えているのでしょうか。

北山 お互いの持っている“いいカード”を混ぜ合わせて、化学変化的なことがどんどん起きるといいなと。それをどう受け取ってもらえるかはこれからの話ですが、受け取ってくださった方々には、「こんなことを始めたのか」「何か楽しそうだな」と思ってもらえるとうれしい。そんなちょっとワクワクしている状態です。

――北山さんが持ち込むカードの中で最大の武器は?

北山 楽曲制作では基本的にコンサートのことまで考えて歌詞を書いたり、曲を選んだりしています。ライブやショーアップといった自分の体を通して表現することで、より曲が完成していく。そこが僕のやりたいことでもあるし、強みでもあるのかなとは思います。

――それが今回のシングル全体の雰囲気、コンセプトにつながってくる部分でもあるのでしょうか。

北山 そうですね。今回は自分の強みを生かすために書いたというよりは、聴いてくださる人が満ちるというか、希望にあふれるというか。「今日頑張ろう」のようにささやかでも何か一歩踏み出すきっかけや、心の乾いた部分に水が入るみたいな、そういう優しい曲になればと思って制作しました。

■タイトルに込められた奇跡 両手で抱きしめた「命」が「歌」に変わる時

――北山さんのおっしゃるとおり、「ULTRA」を聴くと自然に笑みがこぼれました。

北山 そうですか(照笑)。僕がこの業界に入るときのオーディションが同じだった藤家(和依)君と一緒に作りました。

――どのような経緯で誕生、制作されたのでしょうか。

北山 楽曲制作はタイトルが先行することが多く、「ULTRA」も藤家君から「この曲どう?」とデモを聴かせてもらった段階で、もうこれはULTRAだなと感じました。というのも、友達の家族と出かけたときに、プールで子供と二人きりになって僕が抱っこしてプールに入ったことがあったのですが、なんかもうキラキラしていて。生きているだけでこの子はもうULTRAだなって感動したのが、そもそものスタートですね。

――ULTRAな体験に藤家さんの曲がマッチしたと。

北山 藤家君の曲を聴いたとき、イントロから生命力やその尊さを感じ、そのときの記憶と相まってこの曲はULTRAだと直感しました。「ULTRA」にしたのは感情的な要素だけではなく、スペル的な意味合いもあります。「ULTRA」のLとRを飛ばして読むと「UTA(歌)」になるし、僕が左手と右手でその大切な命を抱きかかえたときにULTRAだと感じた。その体験、感覚を歌にすることで、タイトルを「ULTRA」にしました。

――そんなダブルミーニングが込められていたのですね!

北山 それで歌が生まれたらストーリーとしても僕の感情の動きとしても、こんなに嘘のない言葉はないですよね。

――お話を聞いて歌詞を拝見すると、また違った趣が感じられます。ご自身の体験をどのように言語化していったのでしょうか。

北山 この出来事をピックアップして歌詞にすると、僕の経験則だけになってしまう。だから歌詞は恋愛とも青春とも取れるよう、少し曖昧な表現にして、多くの人が共感できるような方向性を意識しました。青春まっただ中の人が聴いたら自分がキラキラしている時代に生きていることに浸るのか、もしくは僕ぐらいの年齢の人は「あの頃、懐かしかったな」となるのか。さまざまな世代の方が聴いても、何かしらフックになってキャッチできる展開を歌詞にしました。

――聴いた人が思い浮かべる大切な存在は人それぞれですが、その相手に向けたストレートな歌詞がグッときます。特に北山さん的なキラーフレーズがあれば教えてください。

北山 最初はもう少し違うことを書いていましたが、言いたいことが負けてしまう感覚があり、修正を重ねていく過程で言葉をストレートにどんどん変えていきました。挙げるとすれば、「この両手(L/R)で君を抱きしめた時 僕の中でUTAが産まれたから」かな。自分に芽生えた感情や体験した出来事をストレートに書きました。そこから続く「同じ時代(とき)」を「共に生きる」というフレーズは、友達の子供と会えたことはもちろん、ファンの方に向けてでもあるかもしれない。今後コンサートで歌ったとき、その時間、その空間で一緒にいられることの尊さ、このタイミングでこの時代じゃないと会えなかったよね、といった含みも持たせています。

――受け止め方は人それぞれかと思いますが、北山さんとしての「ULTRA」の聴きどころは?

北山 何気なく曲を聴くとき、目の前で歌ってもらわないと、なかなか当事者になるのが難しい部分もあるじゃないですか。その意味で「ULTRA」は、聴いてくれるその人に向けて歌詞を書いています。きれいごとに感じる人もいるかもしれないけど、純粋にマンツーマンで聴いてほしいという思いを込めたつもりです。大勢に向かって歌っているというより、聴いてくれた人のために届くように書いている。だからこそ当事者は“あなた”であってほしいということを感じてもらえたらうれしいですね。

■盟友・藤家和依との共鳴 多くを語らずともわかり合える仲だから生まれる楽曲

――今回は「ULTRA」「タイムトラベラ」の2曲の作曲・編曲を、藤家さんとKNOTmanさんが担当されています。「COMIC」と同じ編成ですが、経緯やきっかけを教えてください。

北山 藤家君は独立後バンドスタイルで活動していて、その楽曲を聴かせてもらっていた中にカッコいいと思った曲があって、どう作ったのという話をきっかけに、じゃあ一緒に作ろうとなりましたが、当時はまだ遊び程度でした。カッコいいと思ってストックしてもらっていた曲をカップリングに入れたことをきっかけに、藤家君に一緒にやろうと声をかけ、あれよあれよと一緒に曲を作るようになっていきました。KNOTman君は藤家君が一緒にやっているチームの中にいて、僕と藤家君が話して大まかな方向性を決め、KNOTman君と藤家君で音を作る。それを聴いて僕がまたアイデアを出すといったやりとりをしているので、KNOTman君はコライトっぽい感じのチームの一人ですね。

――どのようなやりとりをされるのでしょうか?

北山 藤家君は基本的にまとめ役をしてくれています。例えば「タイムトラベラ」のデモを聴いたときに「これタイムトラベラーだね」と伝えたら、藤家君は意味がわからないって(笑)。そんな何を言っているのというところから始まり、話し合いを続ける中で楽曲が仕上がっていく。そうやって最初のイメージを伝えるところから始まるのが、藤家君との作り方。藤家君とは昔から一緒にやってきたので、僕が結局何を言いたいかとかライブでどんなパフォーマンスがしたい、ライブの進行の中のこういうポジションの曲がほしいなどを理解して咀嚼してくれるので、ありがたいです。

■インスピレーションとチャレンジ精神が魅せる北山宏光の新たな一面

――カップリング曲の「タイムトラベラ」はファルセットやフィンガースナップが効いていて、歌詞からも大人な雰囲気が感じられました。どのようなコンセプトで制作されたのでしょうか。

北山 ソロになってからのツアーで、藤家君はベーシストとして一緒に回ってくれているのですが、どこかの公演の時に「ライブにこういう曲あった方がもっといいかも」と言ってくれて。自分もそう思っていたから、「どういう方向性がいいかな」「ちょっとシティポップっぽいものやってみよう」となって、藤家君がもってきたのが「タイムトラベラ」のデモでした。

――歌詞はどのように綴っていったのでしょうか。

北山 完全に空想というかファンタジーで、どう歌詞に落とし込んでいこうから始まり、架空の大都会を頭の中で作って、そこに男女なのだろうけど、どっちが歌っているかわからないイメージで書いていきました。一人称を「僕」にしていますが、女性でも僕と言う方もいますよね。だから、どっちになってもいいように作っていって。ネオン街のビルの屋上で外に足を投げ出してパタパタしている二人のイメージから始まり、きっとこの二人はある一定の時間になると魔法じゃないけど、そういうものを使える二人だけの空間があってと展開させていきました。イメージなのか本当なのかはまさにファンタジーですけど、だからこそ月というワードが出てきたのかなって。もしかすると絵本にしたら成立するような内容かもしれない。頭の中でそんなストーリーを作って書きました。

――テーマやモチーフはデモを聴いた瞬間にインスピレーションが生まれるのでしょうか?

北山 曲を聴いた瞬間にタイトルは浮かんで、なんとなくストーリーっぽい歌詞を書いたらハマりそうと思い、そこから世界観というか歌詞を構築していきました。

――そうはいってもインスピレーションを言語化するのは難しいですよね。

北山 めっちゃ難しいです(笑)。書き出していくと、なんで俺はタイムトラベラーと言ったのだろうみたいな気持ちにもなります(笑)。人の感覚ってグルグルした結果、最初に見たり聞いたりして浮かんだインスピレーションに戻ってきませんか。グルグルしないと確信が持てないから、グルグルすることも必要なのかなとは思っています。今回もグルグルしてタイムトラベラーに戻ってきました。

――「タイムトラベラ」と「ー」を表記していないのは?

北山 「タイムトラベラ」と切ることで、曲とのリズム感が生まれるなと思って、わざと省きました。

――曲名にちなみ、タイムトラベルはしてみたいですか。

北山 未来に行って宝くじとか競馬とかの結果を知って戻ってこられたら最高ですよね(笑)。

――選ぶとしたら過去よりも未来?

北山 未来です。過去に行ってもしょうがないですからね。

――「タイムトラベラ」の聴きどころは?

北山 ファルセットもそうだし、あとは目をつむって画を浮かばせながら聴ける曲かなと思っています。聴きながら世界観が想像できると、面白い楽曲になっています。

――通常盤収録の「11:11(イレブンイレブン)」は3名のアーティストが参加したフィーチャリング楽曲です。こちらはどういった経緯で生まれたのでしょうか。

北山 新しいレーベルになるタイミングでトライしていないことをやろうと思い、自分も含めて4人かつ女性のSERINAちゃんも入った編成になりました。Jua君やSHUN君はこれまでの僕の楽曲やTOBEの他のアーティストも手伝ってもらっていたアーティストさん。こうやって形にするのはいいかなと打ち合わせ段階で始まってできた楽曲です。

――曲も歌詞もかなりトリッキーで攻めた印象を受けました。

北山 現状をもっとレベルアップさせて、もっと攻めていこうみたいな勢いのある楽曲で、サビはライブで一緒に騒げるなというのもありましたね。先日、ジャカルタのフェスに行ったときSERINAちゃんが出ていてリスペクトできるなと思ったことを含め、いろんなみんなの経験値とかバラバラだったものをキュって乗っけてみたいな印象を楽曲から受けました。自分一人の感性では生まれない楽曲だからこそ、面白いし乗ってみようと思いました。僕としては新しいフェーズに入っていくし、みんなと自分の声が混ざったときの化学変化が自分も楽しみだし、聴いてくれる方も楽しみにしてもらえるといいですね。

■音楽の原体験は2000年代J-POP ゲームやアニメの音楽に意欲も

――作品によって臨機応変な部分もあるかと思いますが、本作に限らず北山さんが楽曲制作に臨む際、特に大切にしているテーマやメッセージ、“軸”としているものは何でしょうか。

北山 聴いてくれる人に対してのメッセージ的なものが強い楽曲は多いです。言いたいことを言えないことがある中、そういうものを自分の中ではこれが言いたいということを直接言わずに書いているところはあります。「波紋-HAMON-」は特にそうですね。「タイムトラベラ」のようにストーリー性がある場合、頭の中のストーリーをアウトプットするし、自分が感じていることや言いたくても言えないことがあるといった歌詞もあります。またライブを想定し、こういうときこの色の照明でマイクスタンドを使って歌う演出がしたいとなったら、逆算してそういうことを書くケースもありますね。

――特に意識されていることは?

北山 意味のないフレーズ、ふわっと語呂がいいから入れている言葉はないかもしれないです。もちろん何か含みを持たせて聴いた人がどう思うかというパターンもありますけど、僕はどちらかというと「ここはこういう意味で……」という方が多いかもしれないです。ただ、わざとそれを少しちょっとずらして、どっちなのだろうと聴いた人に解釈してもらうフレーズを入れることもあります。

――ところで、北山さんの音楽のルーツ、原体験を教えてください。

北山 2000年代のJ-POPが大好きで僕の青春ど真ん中。初めてお小遣いでレンタルショップに行ってレンタルしたのが、hide with Spread BeaverとかB’z、ゆず、それにGLAY、L’Arc-en-Cielですね。そうするとX JAPANにもいき、さらにハロプロも入ってきて。今でも盛り上がれる曲が多いのは、日本人の国民性とのシンパシーを感じている部分もあります。もちろん洋楽もカッコいいと思いますが、自分がJ-POPの中にいることは大事にしている部分かもしれないです。

――その頃のJ-POPの影響は強く受けている?

北山 バリバリ受けていますね。基本的にJ-POPは好きだし、まだまだ可能性があるなと思っています。自分の中にも当時のJ-POPはいい意味で、どこか重しのようなものとしてある感覚があります。

――特に憧れていた、好きなアーティストを挙げるとしたら?

北山 GLAYとかhideさんですね。「ROCKET DIVE」はよくギターで練習していましたし、hideさんモデルのギターも欲しかったです。あとはMr.Childrenも好きでした。実は曲を聴いていいなと思ったら自分のストーリーで歌詞を書いて替え歌にしていました(笑)。そんなことを思い出して、(「ULTRA」の)「教科書で見つけた 落書きの跡のラブソングも」という歌詞に。一回消しているけど、鉛筆の跡で全部そういうものが残っている感じを振り返りつつ、きっと今の学生にも当てはまるかもなって。恥ずかしくて消したものを、自分がもし教科書を引っ張り出してめくったら出てくるのだろうみたいなことを歌詞に落とし込んでいます。

――今回の新レーベルでのシングルリリースもそうですが、北山さんは常に挑戦し続けているイメージがあります。今後、挑戦してみたいことがあれば教えてください。

北山 新しい座組になって楽曲を生んでいくこともそうだし、生み方もフィーチャリングでというのもそうですね。それとゲームやアニメといった日本のサブカルは海外に通じるものがたくさんあるので、そういうところに音楽として入っていけたらとも考えています。

――最後にシングルを楽しみにしている方にメッセージをお願いいたします。

北山 聴いてくれるのも巡り合わせだと思っています。その巡り合った“あなた”に歌っていますという思いを込め、それぞれの方の人生に寄り添える曲にできたらと制作しました。聴いてくれた“あなた”一人一人に歌っています。そう作ったし、聴いてくれた方に生きているだけでULTRAだよと伝えたいです。

取材・文:遠藤政樹

BACK

BACK NUMBER